CB1300SP vs. STD──“プラス40万円”の真価を徹底解剖:ブレーキ・サス・シートが生む“走りの密度”とは?
【イントロ】“プラス40万円”――CB1300SPとSTDの差はどこに宿る?
CB1300シリーズには、装備を豪華にしたCB1300SP(以下SP)と標準仕様のSTDが存在する。
違いは「オーリンズ&ブレンボ装備」だけ――と思いがちだが、実はシート高やハンドルマウント、各部セッティングまで手が入っている。
この記事では、サスペンション専門店として得た実車データとカスタム経験から
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SPが“別物”と思える乗り味の正体
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STDが粗く感じる本当の理由
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STDをSP超えに仕上げるカスタム方程式
を深掘りする。動画との連動企画なので、まずは理屈からどうぞ。
1. 仕様差を整理 ― ブレーキ・サス・シート高だけじゃない
項目 | SP | STD | 走りへの影響 |
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前後サス | オーリンズ(専用バルブ・スプリング) | SHOWA・KYBなど年式により混在 | SPは減衰域が広く“一体感”が出る |
ブレーキ | ブレンボ4Pキャリパー+専用マスター | NISSIN 4P | ロールバック小→無駄動きがなくリニア |
シート高 | STD+10 mm | 基準値 | 高重心寄りで“操舵モーメント”増 |
ハンドルマウント | 専用ラバーブッシュ/締付トルク変更 | 汎用マウント | 振動低減と入力ダイレクト感の両立 |
ECUマッピング | ブレンボ&オーリンズ前提のABS/TCS制御 | 汎用マップ | 作動タイミングが最適化 |
ポイント
「パーツ載せ替え」ではなくパッケージ全体でSPは作られている。
2. ブレンボ × オーリンズ × シート高10 mmUPが生む“走りの密度”
2-1. ブレンボキャリパーの“無駄ゼロ”フィーリング
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ロールバック量が小さい → レバー入力が即油圧に変換
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マスターシリンダーを変えずに「ストローク感=剛性感=効力」のつじつまがピタッと合う
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無効ストロークが大きいSTDはレバー初期が“スポンジー”、効き始めが唐突に感じやすい
2-2. オーリンズがもたらす前後一体感
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STDはフロントばね/リア減衰のバランスが年式でバラつき、“二人乗り含み”でやや雑
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SPは1G沈み込み→旋回→立ち上がりまで荷重移動が自然に繋がる
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リアスプリングは硬め設定だが、ダイヤルで吸収域を作り込める
2-3. シート高+10 mmの意味
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高重心化 → 倒し込みモーメントUP → “切り返し軽い”錯覚
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バンク角も稼げる=SPの「倒して曲がる楽しさ」はここも一因
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足つき犠牲より運動性能を優先した明確な意図
3. 「部品を変えればSP化できる?」に答える
ケース | 期待効果 | 実際 |
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STDにブレンボだけ装着 | タッチ改善 | OKだがマスターとのマッチング要調整 |
STDに前後オーリンズ装着 | 乗り心地&一体感UP | 必要最低限→ただしECUやABSはSTDマップ |
ハンドル/シート高さ変更なし | 価格抑えたい | SPの“軽快さ”までは再現しにくい |
結論:予算+約40 万円をまるごとSPに充てるのは実は“お買い得”
部品単体+セッティング試行を積み上げるよりトータルが安い。
4. 逆にSTDで“SP超え”を狙うカスタム手順
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目的を決める:ロングツーリング快適重視? 峠フルバンク?
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フロント大改造:スプリング&カートリッジ交換、イニシャル再設定
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リアショック換装+リンク比最適化
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ブレンボ化+マスター径最適マッチング
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シート高・ハンドル垂れ角を好みに修正
- STDに前後オーリンズ仕様のセッティングを行った記事はこちらからご覧ください。STDのSBモデルを大改造した記事はこちらから。
→ 合計40〜50 万円で“SPを超えるパーソナル仕様”も現実的。
ただし試行回数とセッティング工賃は覚悟。
5. まとめ ― SPとSTDは“別コンセプト”で作られている
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SP:ライダーと車体の距離を縮め、“思った通りに動く”をパッケージ化
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STD:二人乗り/積載/長距離を全部こなす“守備範囲優先”
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価格差40 万円は、部品代+開発セッティング費と考えれば十分納得
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STDは素材が同じだから、カスタム次第でSPを超える伸びしろも大きい
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「STDを自分好みに仕立てたい」「SPをさらに煮詰めたい」――何でもご相談ください。
以下は調査したSPモデルの変更点です。参考にして下さい。
CB1300シリーズにおける上級仕様「SP」とスタンダードモデルの足回り(Öhlinsサスペンション/Bremboブレーキ)以外の主な相違点です。価格差約37.4万円を除くと、以下の5つの要素が異なります。
要点まとめ:SPには①専用シート、②シート高+10 mm、③ハンドルラバーマウント、④カラー/グラフィック、⑤ホイール&フレーム塗装といった専用品が装備され、ETCやグリップヒーター、ABSなど車体周りの電子機器や標準装備は両者共通です。
1. シートの形状・素材
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SP専用シート:表皮が高級グレードにアップグレードされ、赤いステッチが施された専用品。
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STDシート:汎用のシートカバーを採用し、ステッチも標準仕様。
2. シート高
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SP:ノーマル比+10 mmのシート高で、やや腰高感が増すセッティング。
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STD:標準シート高(SPより10 mm低く、両足裏の設置感が良い)。
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3. ハンドルマウント方式
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SP:ハンドルクランプ部にラバーマウントを採用し、振動吸収性を向上(純正スポーツ走行向け味付け)。
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STD:リジッドマウント(ゴムマウント無し)に近い固定式で、ダイレクト感重視のセッティング。
4. カラーリング/グラフィック
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SP専用色:2021年以降はSP専用のツートンカラーやアクセントカラーが設定され、限定感を演出。
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STD:従来のダークネスブラック/シルバーメタリック等の標準色。
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懐かしのビッグワンカラーもSTDにラインナップされる場合があるが、SPは独自のグラフィック。【ビッグワン系伝統のツートンをSTDで再現】
5. ホイール&フレーム塗装
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STD:10本スポークアルミホイールをゴールド塗装、赤フレーム+ゴールドエンジンカバーで往年のCB1100R風味を強調。
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SP:ホイールはブラック系塗装(ゴールドではない)、フレームカラーは車体色とコーディネートされた専用仕上げ。
【参考】電子制御・標準装備の共通項
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ABS(コンバインドABS)…STD/SPいずれも標準装備【2021年以降モデル】 Honda Global
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グリップヒーター・ETC車載器…2017年以降はSTDにも標準装備 バイクブロス
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2021年モデル以降の共通装備
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スロットルバイワイヤ
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ライディングモード(3タイプ)
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クルーズコントロール
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トラクションコントロール(Honda Selectable Torque Control) バイクブロス
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価格差
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STD:約1,726,000 円
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SP:約2,103,000 円(差額 374,000 円) webオートバイ|バイクのニュース速報と情報を毎日更新!
まとめ
Öhlinsサスペンション/Bremboブレーキ以外では、SP専用シート&シート高、ハンドルマウント方式、カラーリングやホイール・フレーム塗装が大きく異なります。電子制御デバイスや快適装備は両モデル共通ですので、上記5項目と価格差を踏まえ、ご自身の優先度に応じて選択してください。