Kawasaki KH250 純正リアショックO/Hとレストア

カワサキ KH250 リアショック オーバーホール (O/H) の徹底メンテナンス

カワサキKH250のリアショックオーバーホールを、今回はレストアも兼ねて行いました。純正のショックはカシメ型のため、通常のO/Hが難しい部分がありますが、当社では独自の手法を駆使し、O/Hの回数制限をなくすための改良も施しています。

目次

  1. カワサキ KH250 リアショック O/H の徹底メンテナンス
  2. KONI型構造の採用と新規部品の製作
  3. クロームメッキによる外観の美化
  4. 内部構造の改善と耐久性の向上
  5. オイルの選定と注入量
  6. 総仕上げ
  7. O/Hの推奨理由

1. KONI型構造の採用と新規部品の製作

KH250のリアショックは、他のカワサキZ系車両に用いるKONI型のO/H手法を応用しました。これにより、O/Hの際にショックを再び分解できるようになり、長期的に維持するための選択肢が広がります。KH250特有の寸法の制約を解消するため、一部の部品は新たに製作し、車両に最適な形で対応しました。

2. クロームメッキによる外観の美化

ショックの外観も見逃せない要素です。今回は全ての部品を再メッキし、特にクロームメッキ(装飾メッキ)により美しい仕上がりを実現しました。これにより、純正の輝きを復元しつつ、見た目の美しさも兼ね備えたショックが完成しました。

3. 内部構造の改善と耐久性の向上

内部の構造に目を移すと、ロッドを保持するロッドガイドは直滑り型の構造であるため、長期間使用すると部品の損耗が早まります。そこで、ロッドガイドにはブッシュを圧入する加工を施し、耐久性と作動性の両方を大幅に向上させました。

ピストンの洗浄も入念に行い、減衰力発生の要であるこの部分がしっかりと機能するようにメンテナンスしました。また、ツインチューブ特有のベースバルブも分解し、洗浄と部品の確認を行っています。これにより、ショックの内部は新品同様に蘇りました。

4. オイルの選定と注入量

ダンパーの基本要素であるオイルには、当社が最も信頼を置く製品、Hirokoオイルを使用しています。オイルの品質はもちろん、量も非常に重要です。長年の経験とデータに基づき、KH250に最適な量を注入し、ショックが最もスムーズに機能するように調整しました。

5. 総仕上げ

これほどの作業となると、時間も費用もかかりますが、今回のKH250リアショックO/Hは、まさに最高の仕上がりを実現したと自負しています。純正ショックを美しく復元しつつ、内部の機能性を格段に向上させたことで、再びO/Hが可能なショックに仕上がりました。

総額は税込約44万円で、長い期間にわたってKH250のリアショックを楽しんでいただける耐久性を備えています。時間はかかりますが、完成したショックは車両にとって非常に価値のあるパーツとなります。

6. O/Hの推奨理由

このようなO/H手法は、純正を長く楽しみたいと考えている方に特に推奨しています。オーバーホール後も再度メンテナンスが可能で、カワサキKH250のリアショックを新車同様に復活させることができるため、ヴィンテージバイク愛好家にとっては非常に魅力的な選択肢です。


お問い合わせ
KH250のリアショックO/Hに興味をお持ちの方は、ぜひ当社までご相談ください。

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ヘアライン加工 – セイクレッドグランド【SACRED GROUND】reply
2024年11月30日 at 8:01 PM

[…] 弊社では旧車のショックオーバーホール(O/H)を数多く手掛けてきましたが、最近ではO/Hと同時にレストアをご希望される方が増えています。先日紹介したKH250の純正ショックもその典型例でしたが、1970~80年代のCBシリーズをはじめ、外観の美しさを保ちたいとの要望も多く寄せられています。そこで今回は、旧車のレストアで使用される技法のひとつ、ヘアライン加工についてご紹介します。 […]

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