748Rの試乗と感想
748Rを試乗しました。
純正状態の乗車位置は記憶にないほどに久しぶりで、試乗を楽しみにしていました。
916系はハンドルが遠いと言われています。実は車両によってはハンドルが遠いのではなく「シートが遠い」場合があります。その具合を見極めなければなりません。つまり基準を何処に置きハンドル、シート、ステップがその基準からどれだけの位置にあるのかを把握する必要があります。
私見では748Rはハンドルがやや遠く、ステップが若干後退しています。一番改善したいのはハンドルの遠さです。なぜそれを感じるのかといえば、ステムナットからハンドルまでの距離が遠く操舵(舵を切る)によって大きく腕が振られるのを実感したためです。
916系はもともとフォークオフセットが35mmとスーパースポーツとしては遠目で、更にセパレートハンドルのためにフォークにセットします。更に更にハンドルをフォークの前方に置くことでその遠さが倍増(した感じが)します。
今回の依頼はフロントフォークのシール交換であり、ポジション関係は触れませんでした。前後ショックの微調整でハンドリングを整えた程度で、基本は大きく変えていません。
もし車体を預かり色々と依頼いただけるのであれば、以下の作業を優先して進めれば満足度は格段に上がるはずなので列挙します。
・ハンドル位置を後退させる
・ステップを前方に移す
・シートを極力平坦にして、後方への自由度も増やす
・リアショックの減衰とばね定数を変更
・フロントフォークを微調整
私が優先順位をつけるならこの順番になります。
車体の印象を決定づける要因の一つにエンジンがあります。996Sでは暴力的に感じる加速も748Rは扱いやすく程よい加速(それでも十分速い)でした。エビスサーキットで雨の日に走った経験もあるのですが、748はとても乗りやすかったのを覚えています。今回は晴れた街乗りでしたが、やはり丁度よいと感じました。916系も996や998ではなく916のほうが少々非力な分だけ、街乗りは楽しいと思いますが、748は上まで回せる楽しさが有り峠道や小さめのサーキットでは相性が良いはずです。
748が好きでずっと乗り続けたいけれど、ポジションや操舵性に疲れて眺めるだけになっている方でしたら、相談頂ければ解決策はあります。そうすればもっと乗る機会が増え、楽しんでいただけると思います。