実際にセッティングを進める手順。CB900F
先日納車した、CB900Fは元の純正状態ではなく、前後とも大きく寸法が変更されていました。
今回はフロントフォークのカートリッジ化と、伸び圧の減衰調整に、イニシャルアジャスターも追加しました。
リアはFGのFQE11pr36へ交換しただけですが、内部はCBに合わせたシム組みとしています。
実際にセッティングを進める場合、何が問題なのかを把握することが、最優先事項となります。私共は空気圧などのメンテナンスを行った後に
1 車高
2 ばねの硬さ
3 ダンパー、の順に確認を進めます。ですがこの三つを確認する以前に、ハンドル巾、シートの形状、ステップ位置などの問題点を理解しておきます。
この車両はフロントが大幅に高いと確認できたので、最初に突き出しを7.5mm下げ、足りないので更に2mm下げました。
ここでようやく、サスペンションの動き方に問題を感じるようになったので、イニシャルや減衰調整を変更し、一応のベースが決まりました。ここから更に車高が気になったので、リアを0.6mm上げたところ、車が動きすぎると感じたので、0.2mm下げ、最終セットが完成しました。この間、約1時間です。
前でも後ろでも調整が大詰めを迎えると1mm以下でも把握できるのですが、最初のようにあまりにも大きく外れていると、「5~10mmの間くらいかな」とあいまいにしか感じ取れません。細かい調整を行い変化を感じ取れない時は、変更幅が足りないか変更箇所を間違っている疑えば、答えを導きやすいと思います。
セッティングは良くわからないとか、いじっても変わらないと思っている方に申し上げたいのは、サスペンションに興味があり、セッティングを行えるようになりたければ、先ずは、ばねに関係した部分のみ調整するとよい。と言うことです。なぜなら、サスペンションはばねに大きく左右されます。ダンパー系はばねどのように補佐するかなのです。ですから、車高を整えた後はばねを触ってください。
次回は車高とばねの関係を論じたうえで、「ばねを硬くすると曲がらない」といった俗説を論破してみます。