車高の相対的高さと、絶対高さの違い。グランツーリスモ

 車高を変更する時に、前後のどちらを変更するべきか?その判断材料はどこに置くべきなのか?

 前を1mm下げても、後ろを1mm上げても(前後ともレバー比を無視します)、重心の移動量は同じです。だから、実際の場面では短時間で変更しやすい方を選びがちです。これが相対的な高さ、前と後ろの比です。

 絶対的な高さとは、地面から車両までの距離です。前後のバランスが良かったとしても絶対高が低ければ、倒しこみは重く曲がりづらくなります。逆に絶対値が高すぎる時は、倒しこみは軽いのですが、地面まで一気に倒れるような怖さがあります。低い場合と高い場合の間で好みの軽さ、言い換えれば、好みの安定感を選べば、セッティングを進める上で、非常に早く正解に近づけます。

 この車高について考えるきっかけを与えてくれたのは、ゲームのグランツーリスモ(初代)です。初代プリメーラでセットを変更していた時、前後を均等に上げ下げした場合、ロール量やコーナー速度が変わりそれが面白く、色々な事を試しました。その時一緒にゲームを遊んでいた先輩から「バイク屋になればいいのに」と言われたのが、懐かしい思い出です。

 ばね定数とイニシャル、それは車高に直結します。乗り物は重心高でコーナリング速度の限界が決まり、ロール量やピッチングにも大きく影響しますので、車高を重視してセッティングを進めると、楽に回答を発見できます。