【クアンタム】のオーバーホール、ブッシュ製作を紹介

 度々依頼を頂くクアンタムのリアショックですが、今回はオーバーホールそれ自体ではなく、上下の取り付け部分、アッパマウントとロアマウントの部品製作を紹介します。

 純正はいろいろな仕様が存在しスフェリカル(ピロボール)、ゴムブッシュ、樹脂ブッシュの内側にステインレスカラーを入れ車種ごとに微調整を行っています。

 今回はゴムブッシュが破損し再使用できず、樹脂ブッシュへと変更です。

 1 動きの面ではピロボールのような自在に動くと有利です。ただし価格が高額になる点と交換部品が入手し辛いのが難点です。

 2 ゴムブッシュは柔らかいために微小な振動を吸収し、ある程度の大きな入力でも柔らかく受け止め乗り心地が良いという利点がありますが、反して剛性は明らかに低く、特にツインショックの場合は左右の同調がずれるため、乗っていると左右ショックのアンバランスがわかる程です。

 3 樹脂ブッシュは手軽に作れる点で供給側としては便利です。金属製のスフェリカルと比較すれば剛性は劣るものの、ゴムと比較すれば圧倒的にかっちりした印象を与えてくれますし、金属カラーに対して滑りを起こしやすいので回転部分であるマウントには良い材料です。

 上記の理由もあり樹脂カラーを自作しました。一台分となるとそれなりの価格(2.5万円税抜き)ですが、継続して使い続けられますから初回のみの出費と捉えれば悪くありません。

 ちなみに初めて作った樹脂ブッシュは大きな変形とも起こさずに15年以上も使い続けている例もあります。その車両はCB1000SFのオーリンズアッパーマウント用にです。

 現在はオーリンズに対して純正部品以外を用いる事はできませんが、樹脂ブッシュの耐久性を示す例として取り上げました。

 クアンタムのオーバーホールで困っている方は2輪、4輪問わず相談して下さい。

 

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