【Z900RS】フロントフォーク、スプリングが完成 その詳細

 当社で発注したZ900RS用の専用フォークスプリングが完成しました。
 スプリングレートは0.97Kgf/mm(約9.5Nm)です。概要は動画でも紹介しており、興味を持たれた方はこちらもご覧下さい

 純正と同じ寸法なので、純正スプリングカラーもそのまま使えるため、届いたら加工なしに取り付けが可能です。

 白いスプリングカラーにも綺麗に収まります。

 上の二枚の写真。当社製とメーカー純正の比較です。
 左の写真は一番右がKYB。右の写真は中央がKYBです。純正スプリングの傾きがよくわかります。これは抵抗になりますし、スプリングレートが設計値通りに反映されづらいので真っ直ぐな仕上がりが望ましいのは容易に理解できます。

 ただしカワサキのスプリング売価は5千円/単価を下回りますが、当社のそれは3倍以上の14,800円/単価となっており性能、品質と価格をどこで均衡させるかだと思いますので、総合力で勘案すると良し悪しと言うよりは特徴と捉えて良いでしょう。

 スプリングレートと使い方

 街乗りでは0.9Kの純正バネも悪くありません。速度を上げずにタイトターンの連続するような峠道では使いやすい面も多いでしょう。

 しかし速度を少し高めて走る場合に、やや不足しているとも感じます。アクセルのオン・オフだけでなく積極的にブレーキを使って減速させる走りの場合にそれが顕著となります。

 そこで一方を純正、他方を当社のバネにすると左右合わせて0.935Kとなり、少し動きを抑えられます。さらに速度域を高くとり車両の操作に積極性を持つなら両方とも0.97Kにすることで、スポーツ走行に適します。

 通常は0.95Kや1.00Kにする事例が多いのは承知していますし、私自身もそれを実践してきました。ですがZ900RSはそれより半歩引いたような、街乗りでどれだけ楽しめるかに焦点を合わせたいとの考えから、0.935Kと0.97Kになるような設計としました。

 また、完全なシングルレートになるよう配慮して、両端の巻は閉じて(密着)います。

 今後の予定はR5/2/8から走行試験を開始して、一本のみの交換、2本とも交換しそれぞれの油面を変更して最良のセッティングを模索。
 またリアショックもバネを変更しつつ様々な組み合わせから、それらの特色を抽出しスプリング購入のお客様にセッティングデータも開示して、ご自分の使い方に合わせて調整してもらえるように配慮致します。

 すべての試験を終えてからの販売を予定しており、令和5年2月中には発売致しますのでZ900RSのフロントフォークの動作を変更したい方は期待してお待ち下さい。

 リアショックのスプリング変更用カラーとバネに対する考えなどはこちらの記事を参照願います。

  

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