Z1の純正ダンパー、オーバーホール
Z1の純正KYBのダンパーを分解し、オーバーホールを終えました。
どのような製品も最初は安全に対する余裕を多く取るもので、このZ1のダンパーも同様でした。現代のカシメ型ダンパーはシリンダーの肉厚が薄いのですが、これは2倍近い厚みを有していました。
減衰を生む要となる内筒の内径は20mmでした。これは現在のカートリッジフォークのシリンダーと同一です。それほど過酷な使い方をしなかった当時は、この寸法で十分な減衰を発生させられたのだと思います。伸びの減衰はシムを用いて発生する構造のため、仕様変更は容易です。圧側の減衰はベースバルブで発生させるのですが、ここは伸びと違い分解が少々面倒なので、仕様変更には部品製作が必要となります。
今回もロッドはSGSAシリーズを採用し、純正と同サイズながら耐久性を大きく上げました。それに対するロッドガイドには、耐久性と作動性を上げるためにガイドブッシュの圧入加工を施しました。ピストン側も簡素なピストンリングなので、ここにもリング加工は可能ですが、今回は見送りました。今後は提案してゆきます。