RG500ガンマを改造

 今回はスズキの名車、RG500Gammaの前後ショックを改造しました。

 フロントフォーク純正の正立フォークから倒立に変更されていました。リアは以前に当社でFGを作り、別のバイク屋さんを通して取り付けがなされていました。

 リアはシム組やリンクの取り付けを変えレバー比の変更を行い、ひとり乗りに適した、フラットレートの比を狙いました。これはある程度狙い通りに行きましたが、可動部品も多く動きに渋さが感じられました。メンテナンスはもとより、使用部品を置換する事で作動性を上げられそうなので、今後の課題として提案いたしました。
 他にも、FGのTTXやTTX.Tといった最新型のダンパーは作動性が極めて高いので、そちらも提案させていただきました。

 フロントフォークにはかなり注力しました。
 カートリッジはオーリンズのFKRシリーズを大幅に加工し、取り付けしてあります。減衰特性はもとより、トップキャップ のネジを切り直し、スプリングを車重に合わせ交換しています。交換部品の設定がないトップアプトスプリングは、他のオーリンズ純正が使えるように部品を作り直して嵌めました。
 以前、TZR250/3XVで取り入れた手法を再度採用し、インナーチューブは軽量化を考えYZF-R6を旋盤で仕立て直し、TZ250のブラケットに嵌るように改造しています。

 前回の3XV用にFKRを改造した経験から作業に慣れたこともあり、加圧式のFKRのエア抜き精度を上げられたと思います。これは頭を使わなければ必ずエアが入る構造です。スプリング加圧はバキュームポンプなどで真空引きがしづらい(または極めて困難)事もあり、頭を悩ませました。しかし、少し考え方を改めれば簡単に解決策を発見できました。

 TZ250用を流用したフロントフォークはダストシールがない事もあり、抵抗は小さい様です。さらに当社で加工を行いもう一つ上の滑らかな作動性を確保できました。このオーリンズのFKRカートリッジはピストン形状、ロッド寸法などきめ細かい変更があり、値段が高いだけあり他との流用は極力避けている様です。その甲斐あって乗っても素晴らしい動きをすぐに感じられます。予算が許せば、ぜひお客様に提案したい逸品です。

 カートリッジキットでは先日FZ1フェザーに入れたFGKシリーズも良いフィーリングを得られました。うまく合わせ込めば、かなりレベルが高いと思います。

 リアショックもフロントフォークも、現在できる限りの改良を施せば、まるで違うバイクになったと思えるほど、その乗り味は激変します。当社の目指す高級感をぜひ体験していただきたいと思います。

 

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