ブレンボって本当に良いのか?

 今回のブログは主に宣伝と意見が半々です。

 当社ではブレンボ製品を扱っています。その宣材写真をカメラマンの伴貞良さんに依頼しました。

 絶対的な制動力は、最終的にタイアのグリップで決まります。当然その前に車両の重量配分やサスペンションの動きなど沢山の要素はありますが、それでも最後はタイアです。
 では制動力に対しマスター、キャリパーやパッドはどれだけ影響しているのかを、経験談としてお聞き下さい。

 2000年代に入りカワサキのZX-12RやZX-10R、ZX-6Rが次々とラジアルマウントのキャリパーになりました。3車に共通して感じたのは「無効ストロークの大きさ」です。無効ストロークとはレバーを握り始めてから、キャリパーピストンが動き出すまで(体感としてはパッドとローターが接触し減速が開始するまで)を呼びます。この無効ストロークが前記の3車は長大で、ここぞとブレーキレバーを握っても、そこからほんの少しだけ反応遅れのように減速が開始されます。

 とても気になり、何とかならないかとブレーキホース、マスターシリンダー、フルードメーカーを替えましたが、結果として一番有効なのはキャリパーでした。なぜキャリパー交換で無効ストロークが減るのかといえばピストンのロールバックが少ないからです。

 無効ストロークの次に「ロールバック」という新しい言葉が出てきました。このロールバックはブレーキレバーを握りピストンが張り出し、自動で戻る事を差します。このロールバックの量が肝となるわけです。カワサキ車両純正キャリパではロールバックが大きく、レバーを握り張り出したピストンの戻り量(ロールバック量)が無効ストロークの長大化を招いていました。

 そこで戻り量の少ないブレンボのキャリパーへ交換することで、握った分だけブレーキが効くような感覚をもたらしてくれます。この無効ストロークの適度な感じがブレンボの好ましい点であり、高いお金を払って交換する意義です。

 ならばメーカー純正のロールバック量が大きなキャリパーは無能なのか?との疑問が浮かびますが、さにあらず。ロールバックが大きいとパッドとローターがしっかり離れるので、いわゆるブレーキの引きずりが起こりづらく、燃費や加速が担保されます。つまりブレンボは俊敏な整備を要求し、車両メーカー純正はその逆であるが、引き換えにコントロール性を犠牲にしている。というわけです。

 私は街乗りで普通に走る中においても減速を楽しみたいので、少しでもよいブレーキシステムを使いたいがため、自分の車両にもブレンボを用いています。

 という訳で今回はキャリパーの話でしたが、ブレンボ製品を購入希望の方は一度相談頂きたいと思います。自分で取り付ける能力が有り、かつ安価に済ませる場合は当社に用はないでしょうが、逆に車両ごと預けサスペンションとの両立を図りたい方には役に立てるはずです。

 

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