BMWのロッド製作、電制に対する考察
BMWのR1200GSを依頼頂き、2本連続でロッド製作を行いました。
リアサスペンションはリンク機構が無いために、リアダンパーに二面性を持たせる細工があります。ストロークの奥(バンプラバーの領域近辺)にオイルロックピースを設け、減衰を大きく立ち上げます。その部品が写真にあるロッドの先端、テーパの付いた部品です。
二つの部品を圧入するために、細やかな寸法管理を必要とします。ダンパーには電制(電子制御)によりプリロードと減衰調整を行う機構があります。しかし、これは単に旧来の主導で行ってきた調整を電子制御(プログラム)により行っているだけです。つまり仕組み自体は旧来のダンパーと違いはありません。
最高のサスペンションは人間(動物)の足、だと言っている人がいました。問題点は剛性だけだ、と。その真意は優秀な脳(制御)があるから、優秀なアクティブサスだという事です。これに関しては異論の余地がありません。通常のダンパーはパッシブ(受動)であり路面状況を”受け止める”だけです。人間の足は資格情報から路面状況をとらえ、能動的に状況に”対応”します。GPSの位置情報と連動してサスペンションの調整を行うのであれば、かなり満足の行く物になりそうですが、サーキットなどの決まった場所と状況が前提になります。確か90年代のF1はアクティブサスがあったと思いますが、詳しくないので、興味ある方はご自分で調べてください。
上記の内容をもって、私自身は電制には賛同しかねます。はっきり言えば使いづらいからです。そうは言っても今後、私が考える以上の電制サスが現れるのを楽しみにしています。大メーカーの技術力で驚かせて欲しいと望んでいます。