GSX-R1000,ZX-10RのBFサスペンション

 ST1000のレースで使うGSX-R1000のBFFリアショックを作業しました。

 BF機構はバランスフリーの略ですが、これは何が良いのでしょうか?通常のシングルチューブと呼ばれる機構は圧力の高い部屋と、圧力が低い部屋に別れます。それはオーリンズのTTx、FGのFFXなど現代版ツインチューブはオイルが還流する機構により、圧力が下がるピストン裏のそれが解消され、キャビテーションの発生を抑えます。
 物理法則に従った作りは無駄なく美しい作りです。

 FGのFFX.T.はSHOWAのBFに習った作りです。そのためBF機構のリアショック、フロントフォークの減衰力発生ユニットと丸ごと交換し特性変更を可能にしています。

 FGの方が良いのか?との問いには、絶対の答えはありません。FGが優れている点もありますが、それは調整ダイアルの簡便さだったり、ピストンの形状です。脱着も容易になるため仕様変更も手早く行えます。

 ツインチューブ機構はピストン直径が小さく、つまり接触面が減る事で摩擦抵抗も小さくなります。そしてダンパーロッド内部に調整機構を持たないため、ロッドを細くしても剛性を十分に確保でき、それはピストンと同じくあらゆる接触が小さくなるので低抵抗となり、動きの良さにつながります。

 キャビテーションの原因はオイルの流れる部品形状、圧力差などが主な理由です。高圧下ではキャビテーションの発生は抑えられますので、オイルを加圧(圧力をかける)する理由の大きな要因はここに有ります。

 このBF機構やツインチューブの紹介動画も近々撮影しますので、どうぞご覧ください。

 

 

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