MotoGzzi V9の前後ショック改造

 今回は短くチャチャっと紹介します。

 今年のまだ寒い時期に依頼のあったMotoGuzziのV9Romaerですが、新たな依頼があり、前後ショックの仕様変更となりました。

 前回はシート高を下げる目的と同時に予算に余裕があったため、乗り味を整えることができました。そこで詳細なデータを採取しておきましたが、その数字を活かして今回は前後ショックの作り替えを行います。フロントフォークはスプリングとオイル交換、簡単なメンテナンスでオイルシールなどにグリスアップを施してあります。

 リアショックはオーリンズへ交換です。お客様はオーリンズの交換は絶対要件ではありませんでした。とにかく良くしたいとの思いがあり、正規店で入手できるオーリンズはどうか?と質問されました。もちろんそれも悪くはありませんが、私の考える運動性を体現するにはスプリングレートが合いません。そこで適切なバネを持つダンパーを選びました。そしてリア荷重でぐいぐい曲げてゆくこの車両には、車格以上にリアショックへの依存度は高く、普通では過剰性能と言われそうなオーリンズのグランドツインをお客様に提案しました。

 このショックの良い点はスプリングレート、そして減衰の設定が街乗りからサーキットまで存分に応えてくれるからです。左記表現はよく言われる表現ですが、サーキットはつくばで58秒フラット。街乗りで申し分ないしなやかさを演出させられます。

 リアショックの交換、フロントフォークのO/Hと仕様変更で概ね30万円程となります。フロントを更にグレードアップすると50万円近くになりますので、その提案は相当なサスペンション狂にしか提案しませんが、スポーツ性を高めてゆきたい方はどうぞ相談ください。きっと楽しいバイクに仕上がります。

 

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