フロントフォークに経験の差が出る
昨晩から松戸のストラトス様から依頼を頂いていた、オーリンズのフロントフォークを作業しておりました。
このところフロントフォークについて考える事が多く、ふとある答えが頭をよぎりました。それは、フロントフォークはどのバイク屋さんでも一般の方でも、気軽に作業ができます。ですがその実、意外に難しいのがこの作業です。
年に数回しか手がけない作業者では自ずと練度が低く、部品の入れ忘れや組み間違いが頻発します。それだけでなく、糸くずや組み付け時に手順(または工具)が悪く部品を削ってしまい、内部に鉄粉が数多く散乱していることも珍しくありません。
当社では年間で100~200セットのフロントを作業いたします。その中でも完全に分解しモディファイを行う場合も多く、かなり特殊な治具も用意しています。サービスマニュアルに無い手順も社内で自作し、間違いが起こらない様に最大限留意しております。
今回手がけたフロントフォークは、旧型のオーリンズ倒立フォークでした。このタイプはイニシャルアジャスターの部分に少し面倒な箇所があり、間違えるととんでも無い破損につながります。その例に漏れず、この個体も同様に問題を抱えておりました。
そこで、足りなかった部品は旋盤で削り出して解消し、全分解は依頼に無かったものの、心配になりカートリッジ内部も覗いてみたら案の定、カスが溜まっておりました。それらを洗浄し無事に機能する様になり、組み付けを終えられました。
単なるオーバーホールでも各部品の組み付け方で、フロントフォークは大きく作動性を損ないもすれば、とても滑らかな良い動き見せる事もあります。ご自分で作業するのも楽しいものですが、オーバーホールだけでも専門店に任せて頂ければ、想像以上にバイクが変わると思います。興味があれば、依頼ください。