フロントフォーク改造が続く

 この一週間はずっとフロントフォークの改造を続けております。

 以前からの懸案だったShowaのBPFを改造しました。このフォークの問題点は①構造上、油面調整幅が極めて限定的 ②コンプレッションアジャスターの調整方式 ③摩擦部品が多い(点数よりも面積が広いとも言える) ④トップアウトスプリングの定数

 これら4点を一つ一つ解消してゆきます。先ずは①に関しては作り直す部品が大掛かりになるため、ギリギリまで油面を下げ対応しました。

 ②は今はやりの右フォークを伸び、左フォークを圧の減衰調整にして問題解消を模索しましたが、カートリッジ構造が従来とは違うため諦めました。そこで調整方法の根本的な問題点を検証し、問題点は解消できなければその長所をどのように活かすかを考え(イタリア語ではCambia idea )発想の転換を行い、シム組を大胆に変更してみました。

 ③これは、全ての作動部品を研磨し徹底的に抵抗を減らす、時間と忍耐の作業を繰り返し解消に近ずけました。

 ④この問題は簡単に解消できました。いつもの常用しているスプリングを用意し、それによるフォーク長の変化は旋盤で部品を作り対応できました。

 これらの複合作業により、車体に取り付け押した感触は極めて普通のフロントフォークです。ここで素朴な疑問が浮かびます。ならば昔のフロントフォークに交換すれば良いのではないのか?です。それは簡単な解決手法ですが、BPFの可能性を試したいと常々考えており、お客様も賛同くださりこの改造を始めました。
 BPFを使う利点は、大径ピストンによる安定した減衰の発生と、大径ピストン=大径シムの使用による細やかな動きを演出できる点に着眼していました。今回の改造でそれらが実践できたと、試乗前でも確信しています。

 明日の試乗が楽しみです。

 

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