センスの良いエグゾースト
2年近く前に依頼を受け、当社が輸入したイタリアのエグゾーストがあります。
ドカティのスポーツ1000用の品ですが、先日の試乗で初めてその特性に触れました。
走り出して驚いたのは、その扱いやすさです。スタンダードでは低速、低回転でギクシャクするのが滑らかに変貌しています。
以前の試乗では純正のままであり「これがドカティ」と言った感触でした。しかしながら走り出して直ぐに感じ取れるくらい、良い特性でした。
サスペンションに限らず、やはり作り手のセンスというのはとても重要なようです。センスの一言で終わらせるのは酷いかも知れません。しかし、いくら経験を積んでも良品が作れるわけでもなく、それはやはり素性というか芸術的教育やある種の哲学を持って、独善とも言える身勝手さが良い製品を作るには重要に感じます。
製品の作り込みや決定を行う場合において、集団による意思決定は私のような人間には笑止千万です。良いものを作るには身勝手さが必要です。ですが、それは他者の意見を無視するのではなく、意見を自分の物として取り込み、時として排除しつつも自己の責任において将来の不確定に挑んでゆくしかないと思うのです。
ただし製品(プロダクト)として落とし込む際には、集団の意思疎通が重要になるようです。
ここ数年で感じるのは、私自身にセンスがあるという点です。なぜかは分かりませんが、間違いないようです。幼少期の体験と親の育て方。さらには青年期の経験に人との出会いがそれらを育んでいると思います。現在進行形で良いお客様と触れ合っているのも、確実に私を成長させてくれているようです。
最後は自慢のようでしたが、実はそれは結構的外れで、私を育て育んでくれた環境(人を含めて)が素晴らしかったのだと思います。
もっと良い物を求め、日々精進します。