マスの集中化とピッチング、ホイールベース

 NSF250Rに関わった今年、ある人が言っていた言葉を又聞きして、再度考えをまとめる切っ掛けとなりました。

 その方が言っていたのは「NSFはマスが集中し過ぎて、ピッチングを使いずらい」。おおよそこのような事でした。この問題について数年前に答えを出していたので、それにNSFを当てはめてみました。

 参考車両は2ストロークのNSR250です。ホンダ以外の2ストレプリカも同様ですが、これもやはりエンジン特性が車体に大きな影響を及ぼしています。2ストロークはシリンダーから上が非常に軽量なため、重心がかなり低くなっています。このためブレーキに際して、質量がフロントタイアを上から押さえつけるのではなく、前に押すような力が掛かります。それを低減するために良く動くダンパーを備え、軽い入力でもしっかり前のめりになるような造りになっています。もちろん車重が軽いのも大きな要素です。

 この2スト車両の方程式を用いてNSFを解説すると、マスの集中化がピッチングを起こしずらくしているのではなく、①低重心、②集中させた場所が悪い、この二つが大きな要素ではないかと疑っています。しかしこの二つもあくまで仮定ですから、参考程度の駄文と捉えご自分のセットアップに活かしてもらえれば幸いです。

 ただ、NSFが間違った造りだと指摘するつもりもなく、250ccのシングルエンジンを備えた車が運動性を求めすぎると、あまりに神経質になるため、スタビリティー重視の造りは正解であり、そこから運動性をより引き上げる場合の手段をどの様に選ぶかの下地として、上記仮定を参考にしてください。

 ホイールベースも大きな意味を持ちます。全ての話はホイールベースをどう設定するかに関わってきます。この話はしばらくしたら、まとめてみようと思います。

 

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