S1000RRの前後ショック
昨日納車したBMWのS1000RR・2020年型。前後ショックは想定していた通りの作りでした。
2018年まではザックス製造で分解組み立てが面倒な作りでしたが、特にリアショックはエア抜きが困難であり、好ましく思いませんでしたが現行のマルゾッキは痒い所に手が届く、アフターパーツとして販売されている品のように整備が楽になっています。
現行S1000RRはフロントのスプリングレートが1.1Kgf/mmで、かなり硬い。バネはイニシャル量(初期の縮める値)とスプリング本来の定数で使い方を選べます。
S1000RRは硬いバネを柔らかく使おうとしていますが、1.1Kではそれも限界があり、ストロークエンドの重さが際立ちます。他方、リアショックはスプリングが程よい感じで、イニシャルにより狙いどころへ落とし込めます。しかし減衰がよろしくない。ダンパがゆっくり動く際はそれなりに沈むのですが、勢いが強く動く時は踏ん張り過ぎで途端に固まります。
そのため、フロントはバネを柔らかくしつつ、イニシャル量を見直す(外部調整ではなく内部において)。リアはバネをそのままに圧減衰を大きく弱めます。
これにより成人男性が乗っても、女性のように比較的体重の軽い場合でもしっかり動きます。これらの改造を専用スプリングを開発し、リアのメニューも定量かし前後ショックの仕様変更で10万円程度で収まるようにしたいと考えています。
今回は電制サスでない昔ながらのマニュアル調整でしたが、今後は機会があれば電制版も仕様違いを作り込んでみたいと思います。