GSX-R1000のBPF

 筑波選手権を走る方の依頼で、少し前のGSX -R1000のSHOWA・BPFを改造しました。

 車両メーカー問わず、問題の多い構造です。

 問題点1 圧減衰の調整方法 これが環状隙間ではなく、板バルブにスプリングで圧をかけるためバイパスポートがオイルロックを起こすとシム側もオイルが通らず本当に硬くなる。
 これを解消するため、ピストンに大きめのバイパスが空いています。オイルロックを防ぐための措置ですが、拡大均衡を求めているようです。

 問題点2 フォーク内部、中身をカートリッジなどが貫通していないため剛性がやや弱く、インナーとアウターが摩耗しやすい。これはカートリッジなしのフリーバルブ型にも共通した話です。が、高性能、高剛性を求めるには無理があります。

 問題点3 減衰を発生させる機構がフォーク上部に集中しており、油面を下げられない。そして減衰を発生するとオイルは泡立つのですが、気泡は上部に集まるのに減衰発生機構も上部にあるため、減衰特性が安定しづらい。

 問題点4 構造上、スプリングをフォーク下部に置かなければならず、重量配分がばね下になってします。フォーク下部は上下動が激しく慣性が強く働く結果になります。BPF以外のカートリッジ型はスプリングを据える場所の自由度が高く、任意の場所へ設置できます。

 良い点1 ピストン径が大きくピストンデザイン、シムの内径、外径の自由度が大きく、設定を微細に作り込みやすい。反面フォークスプリングは1K程度でありこれほどの大容量は不要とも言える。
 しかし容量が多いのはダンパに置いて有益ではある。

 良い点2 ダンパーピストンが特殊工具を持っていれば簡単に外せるので、特性変更にかかる時間が短い。スプリングがフォーク下部にあり、それら部品を外す際に邪魔にならないので、部品点数も少なく極めて簡便である。
 

 現代のフロントフォークに共通する問題点 トップアウトスプリングと主スプリング、それにフォークのストローク量が間違っていると、強く感じています。これはBPFに限らずBFFも同様。KYBのR1やH2等は良い動きをするのでSHOWA特有の問題点でしょう

 BPFはどのようにするのが良いのか?
 上記の良い点、問題点を併せて良い点を引き出す手法を提案するなら、まずはストロークを十分に(120mm)確保します。減衰は最高性能を発揮するのは難しいのですが、先ほど挙げたように特性変更が容易に行えるため、俊敏にダイアルを変更するかのようにシム組を変えて好みの仕様に作り込むのが良いでしょう。

 BPFの問題点はサスセットでは改善すれど解消しません。根本的な解決策はスプリング・減衰系の両方を大きく手直ししなければなりません。無駄な時間を費やすよりも懇意にしているバイク屋さんやサス屋さんに相談してください。

 

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