TTxのオーバーホールは難しい

Ducati V2パニガーレ用OHLINS TTxリアショックオーバーホールの記録

 オートバイのカスタムとパフォーマンス向上において、サスペンションは非常に重要な役割を果たします。今回、2年前に自社で仕様変更を施したDucati V2パニガーレのOHLINS TTxリアショックのオーバーホール依頼を受けました。当社では、お客様に最高の乗り心地とパフォーマンスを提供するため、細部にわたる調整とセッティングに力を入れています。この記事では、当社が行ったオーバーホールの過程と、その特徴について紹介します。

オーバーホールのプロセス

  1. リアスプリングの交換: お客様はセッティングを大いに楽しんでいらっしゃるため、今回はより柔らかいレートのリアスプリングへの交換を行いました。これにより、乗り心地と車両の挙動がより滑らかになります。
  2. 減衰力の設定維持: 減衰力の設定は変更せず、お客様がこれまで築き上げてきた理想のセッティングを維持しました。これは、乗り心地の好みや走行条件に最適化された設定を保つことが重要であるためです。
  3. エア抜き作業: TTxはエア抜きが難しいことで知られており、バキュームポンプを用いた機械による作業でなければ、完全なエア除去は困難です。今回も頑固なエアを取り除くのに時間がかかりましたが、完全除去といえる程度まで丁寧に作業を行いました。
  4. 自動化による高水準の提供: 弊社では年間にかなりの数のTTxオーバーホールを手掛けており、作業の自動化を進めることで、高品質なサービスを短時間で提供できるようになりました。
  5. OHLINSフロントフォークの作業: 同時に、OHLINSフロントフォークのオーバーホールも依頼され、こちらもスプリング交換を含めた作業を行いました。フロントとリアのバランスを整えることで、さらに高いパフォーマンスを実現します。

今後のセッティング調整

 お客様自身が取り付け後、変更の良し悪しを確認の上で、セッティングをさらに詰める予定です。サスペンションのセッティングは非常にデリケートで、小さな変更でも大きな違いを生むことがあります。私たちは、お客様が最高のパフォーマンスを引き出せるようサポートを続けます。

サスペンションの魅力

 サスペンションは、深みにはまるとお金がかかるものですが、その分だけ楽しさは増します。この複雑で奥深い世界を知ることで、乗り物との一体感や走行の快適性を大きく向上させることができます。私たちは、この魅力を多くの人に知ってもらいたいと考えています。

 このオーバーホールは、お客様のDucati V2パニガーレを更に特別なものにするための一歩です。お客様がセッティングの調整を楽しんでいただきながら、乗り心地やパフォーマンスの向上を実感していただけることを願っています。

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