VMAX1700のリアショック脱着

 VMAX1700のリアショックO/H依頼があり、車体ごと預かりましたのでその話です。

リアショックの脱着は基本的に難しい。

 リアショックを外すには、車体を保持する手法が問題となります。フロントフォークならばスタンドで簡単に外せますが、リアはそうは行きません。

 レーシングスタンド等で持ち上げても、リアショックを外すと自立しないからです。これがセンタースタンドならば問題は簡単に解決します。

 私は通常レーシングスタンド等で持ち上げ、リアショックを外す準備を整えたあとでステップ・スタンド(固定式のステップで使用可)を用いて車両を自立させショックを外します。

 または上の写真の用に、腹下にジャッキを入れ持ち上げます。これは車両毎に当てる位置が違いますので多品種少量で仕事を受けている当社としては治具やスタンドの種類が増えてゆきます。

 VMAX1700のリアショックを外す手法
 この車両を実際に作業した経験では特別に汚れなどがなければ、脱着で90分程度です。初回ならば120分ほどでしょうか。

 外す部品はシート、サイドカバー、左右のサイレンサー、スウィングアーム右のプラスティクカバーです。外す部品自体は多くはありませんがリアショックのアッパマウントが奥まった場所にあり、そのナットを外すのに特殊工具が必要です。

 私はKoken(山下技研)のユニバーサルソケットを使いました。これがあれば外す部品を大幅に低減出来るためにかなりの時間短縮が可能です。

リアショックが外れた車両。サイレンサーは左右ともに外す。
フレームにジャッキを当て保持する。

 外してしまえばリアショックO/Hはそれほど問題がありません。

 VMAX1700のリアショック特色
 メーカー純正リアショックとしては面白い作りです。YHSという製造会社ですがこの会社はオーリンズの二輪や四輪のOEMを作っています。そのため共通した部品が用いられています。

 この車両の良い点はリアショックの調整には工具が不要だというのが挙げられます。

伸び減衰のダイアルがこの様に調整出来るのは、とても珍しい。

 バネは油圧アジャスター。伸び圧の減衰は手で回せるダイアルになっているので工具不要です。こういった配慮は社外品メーカーでは多く取り入られていますが、純正ショックではかなり希少なので、今後はこの方向性が広まってくれると嬉しいです。

下から覗いた写真。
わずかに覗くリアショックと、油圧のイニシャルアジャスター。
車両底面には突起は無いものの、腹下にジャッキを当てる良いポジションが意外と少ない。

 

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