YZF-R1 4XVのフロントフォークをO/H。その詳細。

 初期型R1のKYBフロントフォークを依頼頂き、作業を行いました。

製造メーカーは当時KAYABA。

 内容はスタンダード、ハイ、プレミアムの三種のなかで中間のハイ・ラインでした。

 主な作業内容は部品交換は当然とし、トップキャップの整備とカートリッジを外しオイルを排出します(カートリッジ本体は分解しない)。

一般には非分解と言われるトップキャップでも、可能な限りの分解整備を行います。
カートリッジ単体にして極力よごれたオイルを排出します。
フォーク下部にあるボルトも、外して掃除するとかなりの汚れが認められます。

 フロントフォークのスライドメタルの固定方法は基本的に2種あり、可変嵌合と固定嵌合です。この説明は動画でもしていますので興味を持たれた方は参照してください。

 令和5年から作業工賃の見直しを行い、価格が変わりますが今回の作業は消耗品を含め6万円強でした。

ガイドブッシュも交換。今回は予算の都合でオイルシール側のみでした。
もちろん新品のガイドブッシュを用います。

 その他にはかなり精緻な寸法取りを行っています。バネ定数のみならずインナ、アウタにネジ寸法などです。部品流用で色々と使い回す際にも役立ちます。

トップキャップのネジ寸法も是非知りたいポイント。
底づきの値も精密測定。

 底づきとはフロントフォーク毎に違うものですが、写真の状態でバンプラバーが底部に接触します。そこから数mmのたわみ、更に深くまで到達します。

 こういったデータも新たな依頼の度に情報を蓄積しています。

 そう言った訳でこの内容はまた動画にするつもりなので、更新したらリンクを張りますから、ぜひご覧ください。

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