ピストンリングの溝加工

 以前にも紹介した、ヤマハの車両に用いられるダンパーのピストンリングの溝を改良するために、追加工を施しました。

 幅が広がり面圧が下がるので、動き出しが滑らかになり大入力にも対応しやすくなります。隙間設定も自由に行えるので、ガタも狙った値を実現できます。加工を始めるとついついギリギリを狙い、きつめのクリアランスになりがちなので、節度を持って事にあたります。不利益は抵抗が大きくなる点ですが、実際の作動状態では抵抗値は下がるように思います。

 腕に自信のある加工屋さんはねじのクリアランスをかなりピッチリ造る方が多く、はまらない場合もあります。ねじで大切なのは締めて締結して、緩めるのが本分ですから、隙間を詰めることに注力すると、的外れな事態に陥ります。自戒も含め記しておきます。

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