アウターチューブのブッシュ加工
ZX-12Rのガイドブッシュはアウターチューブに固定された「固定勘合」型です。オーリンズなど多くのメーカーが採用しています。
可変勘合と言う他の方式もありますが、国内メーカーで固定勘合は珍しい方だと思います。長所はそれぞれです。
今回預かった12Rのアウターは、オイルシール側にあるガイドブッシュの縦寸法8mmを、12mmか15mmが嵌るように改造するためです。その分の肉厚は十分にあり、実は以前にも行ったことのある加工です。低速での大入力と、300km/h近い速度からのハードブレーキにも耐えたので、強度にも問題ありません。
90年代中盤以降のKYBのフォークはこの手の8mmブッシュが多く採用されていて、良し悪しがあるのは知っていますが、全体を見回すと12mm位はあった方が良いのかと思います。
圧入後のガイドブッシュ内径とインナーチューブの外径を測定し、一般的な隙間より多いようです。通常は43mmのインナーチューブの場合、両者の隙間は10/100mm程度ですが、預かった品は15/100mmありました。