CB1300SF・SC54について
今朝、お客様からご自身の乗るCB1300SFについて書かれた内容のメールを頂きました。
約一年ほど前に依頼を頂き、フロントフォークを当社独自のSGCFと呼ぶ右フォークを伸び、左フォークを圧の調整に改造しました。リアにはFGを取り付け、スウィングアームのピボットベアリングの交換も含め、車両全体をメンテナンスしました。話を聞き、タイアの減り方を見る限り、かなり走れてバイクを理解されている方だと察し、これならとことん改良を施せば絶対に楽しんでもらえると自身があったため、そのプランで話しが進み、一月ほどで納車しました。
巷間ではCB1300SF・SC54は万人向けで面白くないなど様々ですが、私の評価は全く違っていました。国内、国外の車両を問わずバイクや車をつまらない乗り物にしている大半の原因は、サスペンションにあると考えています。CB1300SFもフロントの足りない部分を補い、リアサスをFGのFSM11かオーリンズのグランドツインに交換すれば、相当なレベルのスポーツバイクへ生まれ変われます。もちろん車重は重いのですが、それも捉え方・考え方次第で味方にできます。競技などを考えずに「楽しく乗れるのか?」に焦点を絞れば、十分に遊べる車両です。
今回、お客様のメールに書かれていた評価で、一番うれしく感じるのは「サスの懐の深さ」との文言です。タイアにより変わったバランスを、調整次第で最良の状態へ持って行けるその幅の広さを感じてもらえ、望外の喜びです。しかし、お客様の調整能力も卓越した部類だと思います。
私が目指しているのは、乗ってすぐに「この車両は凄い!細かい事は分からないが、とにかく楽しい」と思って頂ける車両造りです。乗って直ぐには分からなくても、晴れの日、雨の日、街乗り、ツーリング、人によってはサーキットでのスポーツ走行など、多くの状況を経験し少しづつバイクへの理解を深め、数年先に待っているオーバーホールでお客様から要望を反映し再調整、そこからまた高度なバランスと高い質感を持ったサスペンションに仕上げる。そして10年も経つ頃には、とんでもない車両に仕上がっている。こういうのを目標にしています。
今回のCBでは総額で40万円の仕事でした。例えばカートリッジの無いゼファー1100などは50万円以上かかります。しかし、自分のバイクをもっと楽しく走れるようにしたいと考えている方や、外観は変わらなくても中味を良くしたいと考える方はに、当社で改造するのが最良の選択になるはずです。
このブログをもってメールを下さったお客様への返答にするつもりです。お客様のメールの最後に「ブログはほぼ毎日よんでいます」とあるためです。これもまた嬉しい一文でした。