MotoGuzziのKONI
KONIのダンパーをオーバーホールしました。
KONIといえば、旧車のツインショックが想起(イメージ)されますが、今回のダンパはモノショックです。この形状ですが、実は四輪において主に使われている仕様です。
今年の年頭に作業したVolvoの社外KONI、フェラーリのF40も同様の寸法を持っていました。ただしそちらは鉄シリンダーを用いていました。写真の品はバイク用のために軽量性も大きく求められるからか、アルミボディーでした。
ガスバルブはとても特殊で、当社の様な小規模事業者ではガス入れの治具を用意するのは不可能です。そこで、新たに超小型ガスバルブを開発しました。この形状に至るまでに二十分程度の熟考が必要でしたが、上手にできたと思います。しかし、その二十分に至る過程は数年の試行錯誤が招いた結果であり、見える範囲ではパパッと終わらせた様でも、現実にはかなりの長期間を要します。
この小型バルブが完成した事で、これまでよりも大幅にガスバルブによる制約がなくなります。
当社は私が新たな技法を開発し、それを平準化し社内で共通化(共有化)する事により会社全体の技術水準を引き上げています。その代わりに、普段の私はかなり自由に遊ばせてもらっています。これはアルバイトも含めて従業員の筆頭、小野寺が私の自由行動を許容してくれるからこそ、可能になったと考えています。良い従業員に恵まれるのは何よりも尊い事だと感じました。
先日も旧いFGのコンプレッションアジャスターを分解する治具を製作しました。長年懸案になっていたのですが、簡単に、今ある工具を使いつつ、ちょっとした時間で使い勝手の良いものが作れないかと感じていましたが、ようやっとこさえる事ができました。
肉厚は一番薄い部分で0.25mmですが、これを可能にするために材料はステンレス スティールを選択しました。いつもは削りやすい303を用いますが、丈夫である事を優先し今回は304としました。このジグの説明はまた後日、ブログでとりあげようと思います。
この治具製作に関しても、日常業務の制約を大幅に低減してもらっている今の状況が許した結果だと考えています。
まだまだ多くの技術課題を抱えていますので、それらを一つ一つ解決し、お客様へ利益を還元しつつ自分らを楽しませて行こうと思います。