NSRmini、NSF100の純正リアショックを改造 その概要を解説
NSF100などに用いられる純正ショックを改造しました。
依頼内容は減衰力不足を改善するのとO/Hです。
このショックは伸びダイアルを最強から1/8や1/16回転戻しで微調整を行い、なんとか減衰力を確保するような状況が多いようです。
その最たる理由は減衰調整ニードルの寸法にあると考えます。キャブでいうところのNJ(ニードルジェット)とJN(ジェットニードル)です。
両者の隙間が大きければ流量が増し、小さければ流れない。写真の純正ショックは前者でありオイルの流れを止めることができずに減衰不足と感じるのです。
そこでJNは交換費用が高額になるため、NJを製作することにしました。これが可能になる技術力の源泉は数年前から始めた自社製ロッドの製作です。分解方法と寸法についての知識、組み立ての技術などが重要です。
部品が小さく寸法も100分台で作る必要があります。そのため旋盤技術は不可欠です。
また減衰力発生の根源となるピストンとシムの関係も変更を加えました。ダイアル最強でも減衰不足を感じる(大人が乗っている)らしいので、上の加工だけでは追いつかないとの判断です。
今回の作業はO/Hと消耗品を含め合計で5万円を超えますが、その価値はあります。社外品を購入するのは高過ぎるし、かといって純正そのままでは不具合を抱えている場合に、良い選択肢となります。