ボリュームコントロークまたはイコライザー

 ただいまCB1300SF・SC54の試乗を行い、サスペンションセッティングがまとまりました。

 乗り始めではフロントの動きにまだ不満があり、プリロードと圧減衰を増し、最後に伸び減衰をほんの少し強くしました。その後リアの気になる点が浮上したので、イニシャルを掛け、圧ダンパーを抜き、伸びダンパーを足し、車高を上げました。FGの車高調整は一回転で1.25mmです。最初に1/4回転(0.3mm)上げ、少し上げ過ぎたので1/8下げ(0.15mm)かなり良いところで落ち着きました。

 リアの車高を上げない場合は、かなり安定志向でブレーキを強力にかけながら倒し込みが出来ますが、全体的に重い印象なので1/4上げましたが、人によっては丁度良いと感じると思いますが、私の好みよりほんの少し高くなり安定より軽快さが上回るようになりました。そこで1/8下げ、安定感が少し上回るくらいに仕上げました。この上回る感じがどれくらいかと言えば、水の表面張力のような感じです。それくらいギリギリを模索しています。ですが、必ずこのスウィートスポットは存在すると考え、セットを模索します。このスウィートスポットは、探し出すのは慣れと根気と知識とセンスが必要です。入口は狭いのですが、一度その中に入ればかなり広大な範囲を持った領域だと感じています。ダイアルの1クリックが明確感じられ、プリロードや車高調整の0.1mm単位が意味を持ってきます。しかし、それらは神経質ではなく、扱いやすい物です。

 最近考えるのは、サスペンションの調整とはオーディオにおけるボリューム調整やイコライジングと同じではないかと、という点です。低域を増やしたり、高域を絞ったり、中域をまして抜けを良くしたり。全体としてボリューム調整を行う感じが、ダンパーセッティングに酷似しています。この感覚はギターを弾いていた10代から20代前半で養った物かもしれません。ですから、この例えは人によっては変わると思います。

 演奏が上手でも音作りが下手では、二流です。バイクも同じく速く操れても、サスセットが上手くゆかなければトップには立てません。そこにサスペンション専業で仕事を、する私どもの価値が生まれてくるのだと考えます。

 

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