五里霧中における手応え、ひっそりと16年目に突入
当社のプレミアムラインPKG(パッケージ)のオーバーホールはとことん手を尽くす作業内容です。
私を含め、従業員所有の車両はオーバーホールといえば、通常このプレミアムラインで行います。なぜかと申しますと、かなり価格の高い作業のため普通の方はなかなか手が出せません。そこで鍛錬と共にその差を実感する為、最高峰の作業を自らに課しています。
先日のサーキット走行前に仕様変更を行なった私のBT1100も同様でした。かなりの高額になりますから、お客様にその価格に見合う価値を提供できているのか、若干不安になる事もございます。
以前のブログでも紹介したCB1300SBのフロントフォークは、プレミアムライン・PKGに手を加える、プレミアムライン・Plusと名付けた更に突き抜けた仕様です。そこに減衰の組み直しを含め15万円以上もかかりました。実はその2年前にも仕様変更で20万円ほど掛けてい頂いおります。
そのフロントフォークを納品しお客様が乗った印象は、次元の違う仕上がりだったそうです。私はその水準を常としていますため、少し感覚が鈍っているのかもしれません。市中に溢れる車両のサスペンションが不足しているのであり、自分のオーバーホールした品が基準になっております。ですが、私自身の基準と価値観がお客様に受け入れられたのは、今回の一件を通し確認できた事は望外の発見でした。
常に最先端の作動性、仕上がり、接客(これは一番苦手かもしれませんが)を心がけるからこそ、スタンダードラインやハイラインといった通常お客様が選択されるメニューにその技術が反映され、通常仕様でも十分と仰って頂ける仕事を提供できるのだと思います。
実は当社にとってはプレミアムラインはそれほど収益性の良いメニューではありません。しかし、簡単にパパッとお金だけ儲かれば良いと言う考えでなく、技術に裏打ちされたスタンダードメニューだからこそ、お客様に喜ばれると思います。しかも当社の基準作業工賃は、他者のフルオーバーホールに匹敵する場合もある為、高いだけで質が低いと言われないように、常に全力で事にあたっております。
これらの経験を通し、正に五里霧中といった状況の中で手応えを感じられ、会社の方向性もかなり定まってきました。やはり会社は経営者の考えた通りの方向へ向かうと実感しつつも、その道標はお客様の言葉からしか得られないと強く実感しています。
5月で16年目に突入し、更にお客様に喜んでいただける会社へと成長したいと思います。