相変わらずエア抜きに執着しつつ、散文
昨日、RG500ガンマのFGを仕様変更で組み直しました。
お客様の要望により乗り味を変更します。元々はサーキット専用品として作ったダンパーであり、街乗りには少々硬すぎたようです。そこで車体取り付け時の動きを確認した上でダイアルを変更し、その値を元に内部変更に掛かって行きます。
スプリングのプリロード量を変えて大分、動くようになりました。伸び減衰は少し強い感があり、圧減衰はかなり強めな感触でした。それを変更するにはダンパーロッドを引き抜かなければなりませんので、その際に写真を撮りました。
ご覧頂けるように、泡立ちは一切起きていません。ピストン引き抜き前後で両者とも泡立ちは確認できませんでした。エア抜きを丁寧に行えばこれ程の仕上げを行えます。仮に全の未使用ダンパーであろうと、完成後の検査でストロークをさせる程度で十分に泡立ちが起こります。ですから、完成後時間が経ち使っているダンパーが写真のような状態である為には十分なエア抜きが必要です。
このエア抜きがしっかり行われていないと、車両に取り付けて直ぐに体感できます。これは多分エア抜きがしっかり行われた車両ばかり乗っているお陰で、その差を理解出来るようになったのだと思います。
7〜8年前、お客様の車両を試乗する機会があり、その時に頭の中でリアショックのピストン、シム、オイルの映像が湧き上がり、シムとピストンの間を劣化したオイルがすり抜けるのがわかりました。
昨年はオーバーホール後にお客様の車両を試乗し、自社のオーバーホール作業の水準が充分以上に達しているのを体感しました。これは使うオイルの質、組み作業の丁寧さに起因する動きの滑らかさ(フロントフォークも含め)、徹底したエア抜きの全てが間違いのない高水準に達したと確信した瞬間です。
今年に入り、当社は全ての作業に対し値段を上げております。それは現在進行形で続いておりますが、仕上がりの価値と価格を天秤に掛け、釣り合う範囲に収める為です。
もちろん大きな課題も抱えており、納期連絡や納期遅延が最大の問題です。この点は常にお客様から注意を頂くのでそのような事が起こりずらい社内構造と、受注形態、価格設定を考えて行くつもりです。