乗り味を定義する。

 今日は移動時間が長く、車中で音楽を聴きながら色々と思いを巡らせておりました。

 その中で以前から知人や友人と話題に上っていた内容を思い出しました。

 「乗り味」とは私も至るところで口にします。しかし、乗り味とは一体なんであろうか?これを定義しなければ説明は意味を為しません。そこで今回は私の考える乗り味を説明します。他社や他者の乗り味に関する定義は知りませんので、セイクレッドグランドとしての公式見解と捉えてください。

 乗り味とは
 一般に乗り味(同乗者にあっては乗り心地)と表現される場合、乗り物全般に使われます。陸を移動する車両、船舶に航空機もです。これが第一の定義、移動する車両に使う言葉である。

 第二に、移動する乗り物が停止状態で、ずっと動かない場合。これは乗り味に含まれません。

 極論、上記二点が乗り味と表現される場合の絶体的な定義です。この二つの条件を分解してゆきます。
 第一定義の移動中について説明します。普通の車両はエンジン、タイア、サスペンション、フレームにシート(座席)で構成されています。すべての部品が乗り味に関わりますが、最も直結するのがシートだと考えています。シートはかなりの部分を占めていると思います。しかし私はこれを論ずるには知識が足りないので、私が考える一点だけを説明します。
 シートは移動しない場合は「乗り心地」ではなく「座り心地」と評されます。つまり家でゆっくり過ごすソファーの事です。単に座り心地を求めるのだれば、車両用のシートではなく家庭で使うソファーの方が心地よいと思います。

 タイアにおいては掛かる荷重によりタイアに求められる剛性があり、空気圧と共に路面から受けるインパクトを吸収します。タイアの形状とケーシング、空気圧でハンドリングから限界特性まで違ってきます。私はギャップの吸収性、ハンドリング含めて角ばったタイアよりもバルーン型が好みです。

 エンジンは振動を発生しますので、その波形はエンジンレイアウトにより変わってきます。しかし、特に四輪においてはゴムブッシュなどでその振動は軽減されますので、リジットマウントされるバイクの方がよりダイレクトにエンジンレイアウトの差を認識できます。

 フレームは特別な剛性の過少がない限り、普通の方には認識されません。ですがそこに意識を向けてみればかなりねじれている事がわかります。私自身はホンダのEGシビックからGCインプレッサへの乗り替えで大きく感じ取る事ができました。その後、111トレノ、NAロードスター、アルテッツァ、プレマシー、ノア、BMW、ベンツ、フェラーリ、ポルシェ、WW、アウディに乗る機会があり、それらを大きく理解するに至りました。
 このフレームのねじれは、私にとって乗り味という認識より、ハンドリングに大別されます。
 バイクではフレームをいじることは少ないのですが、フロントフォークやスウィングアーム、三軸(フロント、リア、ピヴォットシャフト)でも捻れが変わり、乗り味に大きな変化をもたらします。

 最後にサスペンションですが、乗り味を大きく変化させられるという意味では、一番安上がりに大きな変化を与える事ができる部分です。
 いよいよ本題にして結論ですが、サスペンションにおてい乗り味とは「動いている最中の感触」に他なりません。動いている途中の「過度特性」こそが乗り味そのものだと定義します。

 そしてエンジンを除くすべての部品において、サスペンション、シート、タイアにフレームは変形を起こし、過度特性を持ちそれが乗り味を決定するのです。
 私は学者ではありませんので、見落としや間違い、検証不足はあろうかと存じますが、現段階での結論は以上です。

 細部を見れば、マウントブッシュや空力まで乗り味に影響しますが、大枠で捉えた場合と承知ください。