幾何学、図面、微分

 動画撮影のために情報を集めていました。

 バイクのリア周りは幾何学が支配していると思います。この辺りは数式で表す能力を持ち合わせてはいませんが、正直難しい事はありません。なぜなら円と直線を理解できれば、簡単だと思います。
 もちろん、より高度な理解のためには数式は必要です。

 スウィングアームの全長は長ければ変化が穏やかになり、逆は急激になります。

 下の絵をご覧ください。

 

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小さい円は短いスウィングアーム、青い線は長いアームを持つ場合です。

 これを見れば分かるように、小さい円は半径分の高さ(X軸)を移動すると同時に左右方向(Y軸)も半径分移動します。

 対して小さい円の倍の直径を持つ大きな円は、小さな円の半径分を移動する間に左右方向の移動量は小さくなっています。その値は約27%です。

 この絵が証明したように、スウィングアームが長いと前後方向の変位が小さくなり設計値に近い特性が維持されます。

 これはプログレッシブ特性を求めるリンクも同様で、この円の上下と左右の変化量を組み合わせて、特性を作り込んでいます。

 数学の勉強はしないより、した方が圧倒的に良いと考えています。
 それはこの図形を説明する時でも楽になるからです。
この十分に大きな円弧の一部を切り取ると、曲線と直線が近似するのは肌感覚で知っていました。以前のブログにも書きましたが、地球上で水平線というもは存在しません。地球は半径が約6000Kmの球体です。つまり水面はR6000Km(半径6000Km)の曲面になっているのです。しかし、人間にとっては十分に大きな円である地球の表面は、平面に感じられる。つまり直線と曲線が近似しているのです。

 こういった日常の物理現象を捉えていれば、バイクや車の運動法則は理解できます。あのレオナルド・ダ・ヴィンチも幼少期は川の流れをずっと眺めていたそうです。
 私はレオナルドとは比較になりませんが、子供の頃から水が好きで海や川の水面をながめ波の運動周期を考えるのが好きでした。この事はサスペンションを相手にする今の仕事に無関係で無いように思います。