オーバーホール時に考えている事

 ホンダドリーム様の依頼で、CB1300SF(SC54)のリアサスペンションをオーバーホール致しました。

 作業中に考えるのは、段取りを良くしてどれだけ作業効率を上げられるのか。部品の形はなぜこの様になっているのか。シムの組み方、ピストン形状など多くの事に気が向きます。

 材料の無駄を無くす為に、焼結材で出来たピストンは多く有ります。鉄系やアルミ系の違いで膨張率も違いますので、クリアランスも変わってきます。洗浄時に手洗いでは細かい目まで汚れを取りきれないので、超音波洗浄機が効果的です。

 ピストンのオリフィス径はシリンダー径と、最大ストロークスピードから導きだされ設計されるのだと思いますが、同じシリンダー径でもメーカーごとにさまざまです。一つのピストンで広範囲をカバーしようとすれば大雑把なつくりになり、ある部分で誤魔化しを感じる時があります。純正メーカーに限らず、高性能を売りにしたメーカーでさえも予算の壁は高いようで、無理な使い方だと思える場合はあります。

 そうは申しましても厳しい予算で最大の効果を得ようと考える、純正ダンパーを製造するメーカーには敬服します。それに比べれば予算を大きく割ける私どもなどは、より良い品を提供できなければ仕事をする価値が無いと考え、日々努力しています。

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