朱夏を生きる
私も来月には40歳を迎えます。
若さに対する嫉妬などなく、むしろ年齢を重ねるにつれ面白みを増す仕事と人生に喜びを見出しす日々です。青春ばかりが題材になる昨今ですが、私は自分の生きる朱夏を満喫しています。
10代の頃から経営に関する書籍も割と読んでいたとは思いますが、この年齢と立場になりその内容がぐっと身に染みるようになってきました。
ここ最近はメルセデス・ベンツに関する書物を読んでいます。日本法人の社長、上野金太郎さんの書籍とメルセデス・ベンツUSAの社内改革をとりまとめた二冊です。これを読みわかるのは、お客様(カスタマー)に素晴らしい体験をして欲しいという一念です。車の質だけではなく、接客からアフターサービスまでを通じ購入したお客様に喜びを見出して頂く。その一点です。
しかし、ここに大きな罠が潜んでいます。「おもてなし」から想起されるような丁寧な接客に執着し、車メーカー(販社としても)の本分を忘れ、接客が良ければお客様がきてくれると勘違いしてるメーカーもあるように思います。王道を外した車造りを行い、それを接客でごまかしているかのようです。ハンドルを手にしアクセルやブレーキを操作する楽しさや満足感を得られなければ、早晩飽きられてしまうのではないでしょうか?私がベンツとポルシェから感じ取るのは、真摯な車造りへの姿勢です。
翻って当社も接客や電話、メール、納期などの対応をより磨くべく、常に気を配っております。しかし優劣をつけずに並列で大切なのは、サスペンションシステムを通じ良いバイクや車を仕上げる事だと、これらの書物を読み進めるうちに確信しました。
メルセデスに限らず一流として通っているメーカーは先ず扱う品の質(品質)が高い事を前提とし、それに同調するように他のサービスも同様であるべきです。品質が低いのに他だけ一流にしても、その逆でも全体として歪なものになってしまいます。
この本を通して何かを掴んでもらいたいと思い、社員の小野寺にも午後を半休にし、研修として読ませる事にしました。優秀な彼なので五年十年かけ、読んだ内容を自身の血肉にしてくれると期待しています。