KWのダンパーを分解。
連休前に問い合わせを頂き、ドイツのKWをオーバーホールしました。
KWを「カーヴェイ」と読みます。ヨーロッパの多くの地域でWはVと同じ読みをします。
BMWなどのドイツ車では馴染みのメーカーですが、依頼いただいたのは初めてでした。俗に言うカートリッジタイプのため、代理店ではオーバーホールが出来ないそうなので、当社に話が回ってきました。
開けて確認したところカシメ型なので、非分解型ですから代理店さんもオーバーホールは受け付けなくて当然です。
しかしお客様は価格も安くない為にぜひ作業をしたいとの意向であり、私自身も分解してみたいという欲があったので、依頼を受けた次第です。
以前、BMW・E90の320iのリアダンパーを分解した経験があり、その時の作りに似ていると感じます。カシメの安価な(といっても1台分で10万円を優に超えるそうですが)ダンパーのために、作りはとても簡素です。
特に際立った箇所はありませんでしたが、ピストンリングが外れてシリンダーとピストンが摩耗材を無しに直接触れてしまい、音がなっていた様です。これは旋盤でリング溝を加工し、違うメーカーの品を使うことで解消しました。
ダンパーの設定は非常に圧側の減衰が強い設定です。伸びは圧に対する相対でも絶対値としてもかなり弱いと感じました。この様な設定は機敏なハンドリングを狙っているいのか、相当重量のある車かのどちらかだと思います。
直せるかどうかや、料金の交渉など手間はかかりますが、初めてのダンパーは分解が楽しみです。