ダンパー製作に必要な要素

 来週は車両運動や自作ダンパーの構想を話し合う会合と新年会があるので、それに向けた考えをまとめるべく、頭の中を整理しています。

 ダンパー製作に一番大切な要素は何かといえば「考え方」だと思っています。理論的な数値や製品の構造は、その考え方から生まれ出でる産物であり、先ずは「どの様な品を、どの様な車両に当てはめるか」が無ければ、そのあとの数値と構造は無に帰します。

 ダンパーや車両運動に大切なのは哲学フィロソフィー(イタリア語ではフィロソフィーア)であり「車をどのように仕上げるか」の視点だと捉えています。一般にセッティングと言われる物はもっと下位の思考、ポリシー(イタリア語でイデオロジーア、ペンスィエーロ)と言われる方針程度の事柄です。

 私が常々いうピッチングと振動(波)はパラダイム(パラディーグマ)です。一般に「模範」と訳されるパラダイムですが、私の持つイタリア語辞書は「理論的枠組み」とあります。こちらの方が実際の理解に近いと思います。哲学=どのように仕上げるか、をピッチングと振動の理論的枠組みを用いて、ポリシー(例えばサスペンションセッティングの順序であったり、各調整部品の数値)を考えてゆきます。

 ペンスィエーロは、上記のフィロソフィーアとパラディーグマを実現するための道具。例えばプリロードの量であったり、減衰ダイアルの値です。

 上記の内容をもっと簡潔に、短く要約(と書くと、いつもイタリア語breve riassunto=短く要約、が思い浮かびます)出来るように思考を鍛えるべく、本を読み考えています。数学やそこから導かれる理論は、私の一番弱い部分です。そこを補う友人(と呼ぶより同志と言うべきか)と出会えたのは幸運でした。そこで私は数学的枠組みを友人に任せ、経験から得た3P(英語で言うフィロソフィー、パラダイム、ポリシー)を用いて実車を造ることに注力します。

 

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