ホンダ、レジェンドに試乗

 ホンダカーズ東葛・南柏店でホンダ・レジェンドに試乗しました。担当営業は上坂さんです。

 アコードの試乗を行う前に、上坂さんに色々と話をしたところ「レジェンドも試乗しませんか」と提案頂いたので、即答でお願いしました。

 価格差があるので当然ですが、運転席に座ってすぐに質感の高さを感じます。視覚的にも触覚的にもです。

 動き出してすぐに感じるのはアクセルに対する反応が、アコードとは明らかに違いました。先ほど書いた「スル」ではなくエンジンが駆動するかのような「ッグ」と言ったトルクを感じさせて進みます。次いでブレーキを踏めば、その反応もまたアコードとは異質です。スポーティーなしっかりとした踏み応えがあり、とても好印象でした。欧州車ほどのしっかり感はないものの、評価に値するブレーキレスポンスです。

 お店の敷地から道路に出る際の段差を超えると「これは!」と思うほど収まりの良い動きを見せました。なかなかこれ程の質を持って段差を超える車は有りません。しかし、その評価もすぐに覆ります。直進時に車が左右へ踊ります。ダンパーの縮み側が立ちすぎてギャップをいなしきれず、車全体が暴れるような動きをします。これは高級車としてはかなりのマイナス点でした。

 ホイールベースは2850mmです。前席の着座位置が若干前寄りに見えました。そのため、アコードよりも後席の乗り心地を重視しているようです。

 アコードもそうですが、FF車にありがちな前と後ろが捩じれるような動きは極めて小さく抑えられています。これはボディーが高剛性だからだと推測します。ただ、少し大きめのギャップを超えるとフロントノーズの重さが顕著になり、大きく動きます。しかしリアのダンパーが適度に効いているようで、リアタイアの接地が抜けるような印象は有りませんでした。そのためピッチングセンターは上手に造り込まれていると分かります。アコードよりも大きいエンジンのため、このノーズの動きはより顕著です。ですが、メーカーも当然それを理解して、大きく速く動くような事はなく「ため」が最初にあり、その後「グー」と言った感じでゆったり動きます。

 この車の特筆すべき点はただのFFではなく、リアタイを(モーター)で駆動する点です。そのメカニズムに関してはここで話題にしませんが、加速感はリアから押されるような、後輪を駆動する車特有の感触をしっかり理解でしました。

 価格と仕上がりを考慮すると、買う価値のある車だというのが私の結論です。前述のダンパーをより良くまとめ、車全体の動きを更に上質できれば、800万円でもその価値を持たせられるはずです。

 ここにきて以前から考えている、「FF車は高級車になり得ない」という持論がより明確になりました。矛盾なのですが、それに反してレジェンドの質感はFF車とは思えない程、高度に洗練されています。正確にはFF車がダメなのではなく、前輪車軸の前にエンジンを置く車です。問題は駆動輪その物よりも重量配分とボデー剛性なのかも知れません。前後重量配分が50対50でも、逆に後輪車軸の外に重量物を置いたのでは、車の動きは愚鈍になります。つまりホイールベースの内側にどれだけ重量をまとめられるかが、重要なのだと考えます。

 レジェンドはとても良い車でした。

 

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