フロントフォークの改造

 カートリッジの無い、昔ながらのフロントフォークを改造する際にはいくつかの選択肢があります。一つ目は、バネ、オイル粘度、油面を変更する、加工を必要としない方法です。

 二つ目は溶接で穴を埋め、穴径を任意に変更する方法ですが、これはオイル粘度を好みに変えられるので、柔らかい油を使えるようになりますが、圧ダンパーが効かなくなるデメリットも併せ持ちます。

 三番はカートリッジを追加します。現在請け負っているTRX850のフロントフォークはこの方法で改造します。(詳細はまた後日)

 その他に、昨日納車したニンジャ250に施した「バルブ追加」と言う方法があります。一般には「カートリッジエミュレーター」などと呼ばれるようですが、当社では製作にいたった経緯から「クシダ・バルブ」と呼び現在はその改良版「クシダ・バルブ改」となりました。

 クシダ・バルブ改は旧来の形式では、ほぼキャンセルされてしまうコンプレッションダンパーを発生させるために、オイル通路にフタをした上で経験から得た寸法の穴をいくつか開けます。大メーカーならば、オイル粘度とオリフィス形状で基本的な減衰力を導きだせるのでしょうが、そこはプラグマティスタな私ですから、面倒な計算をするよりも実際に使って試して、数字を探り当てました。オイルは10番を使い(厳密には40℃の動粘度で合わせ)ます。

 CBR250R,NINJA250、CBR400RR、APE100(DE耐)、ハーレー883などに実績があります。ブレーキからの倒し込みがとても面白くなる部品なので、カートリッジまでの予算のない方には、勧めたい一品です。価格は部品代で3~5万円ほどです。

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