Z1フォークの改造、続き

 Z1のフロントフォークに改良のため、インナーチューブ、アウターチューブ共に加工を施しました。

 インナーチューブ先端にはピストンリング(スライドメタル)、アウターチューブにはガイドブッシュ(ガイドメタル)を追加して両部品が直接触らないようにした事で、部品の摩耗を抑えられますし、動きも滑らかになります。

 まだ価格は未定ですが、部品代は車両メーカーの純正品を流用していますので、それほど高価ではありません。加工費用に関してはアウターチューブの芯出が少々手間なので、そこで若干費用がかさみますが、それにしても初回のみの必要経費なので長期的に見れば、やはり高い出費ではありません。

 今回の加工を通し、部品同士の隙間や加工場所をより精緻に確認し、次回の依頼に備えます。

 アウターチューブは肉厚がかなりあるので、内径を広げるボーリング加工を施し、現代版のフォークと同様にすることも不可能ではありませんが、非常に手間がかかり高価格になってしまう点と、旧い設計の鋳物は素穴が出てきてしまった場合に、部品の強度を心配しなければいけなくなる為、今後もボーリング加工は考えていません。

 従って今回の加工はメタル(ベアリング)無しと、現代版のメタル(ベアリング)在りとの中間で、やや現代版よりの性能を得たといえます。街乗りはもちろんTOTなどの旧車レースにも効果的です。

 追記  神奈川県のZ専門店PAMS様のブログを拝見したところ、アウターのボーリング加工を施し、完全に現代版のフロントフォークに変貌させていました。素晴らしい技術力だと思います。現代版を希望の方は、PAMS様に問い合わせしてみるのも良さそうです。当社も試験的に現代版を製作してみたくなりました。

 

 201692422840.JPG201692422738.JPG20169242287.JPG201692422711.JPG201692422627.JPG