工具で変わる作業時間

 VMAX1700のリアショックO/Hを依頼頂いたので、取り外しの作業から始めました。

 ネットで調べるとサブフレーム等など、外す部品が多いようです。リンク先の方は素人ということで、持っている工具の数も限られるでしょうから、正攻法で一つ一つの部品を外しています。

 これはこれで正しい進め方だと感じました。ですが当社の様に仕事として考えると極力時間を短縮したいのは必定。という訳で状況を確認しつつ必要な工具を買い足して、作業の効率化を図りました。

 要となる工具 アッパマウントボルトを緩める
 Kokenのユニバーサルソケットなる品です。V-Max1700のアッパマウントはエンジン後端あたりの奥まった場所にあるため、正攻法で攻めるとサブフレームが邪魔になり工具が入りません。

 そこでなるべく曲げ角度が小さくなるように写真の工具を購入しました。必要な寸法は14mmでしたが手持ちは12mm。そこで近所のファクトリーギア柏店へ走り、在庫品を買い求めました。

ユニバーサルソケット。

 この工具は自在継手(ユニバーサルジョイント)と呼ばれる、角度がある程度自由になる接合部があるので、ボルト軸上でなくとも回転させられる優れものです。とくに写真の工具は自在継手と駒が一体となっている分だけ、小さく造られており、寸法の制約が小さいのも大きな利点です。

ソケットなので6点で力を伝えやすいのも嬉しい。

 右のサイレンサーを外し、露出するプラスチックカバー(スウィングアームに留められている)を外せばアッパマウントボルト(に対するナット)を緩められるようになります。

 ロアマウント
 アッパマウントと比較すると、容易にボルトに接触できます。左のサイレンサを外せば難なく緩められますが、手順が大切です。

左サイレンサを外した状態。

 ボルト自体には荷重がかからず太いカラーで軸重を受け止めます。そのカラーはスウィングアームに嵌っているため、ボルトを抜いてもリアショックは脱落しません。

 ですがカラーをスウィングアームから抜き取るのは容易ではありません。そこでアッパマウントボルトを先に外し、力が抜けたところでロアマウントカラーを外すのが最善の手法だと考えます。

左側にイニシャルアジャスタと伸び減衰調整のノブがある。

 まとめると、シート、サイドカバー、左右サイレンサーにスウィングアーム右のプラスティックカバーを外せば必要な部品には接触可能となり、後は狭い場所でも回せるユニバーサルソケットを準備すれば脱着可能となります。

 作業時間は手順書を造りながら、初めての作業で70分ほどでした。なれてくれば50分もあれば十分なように思えます。

 この記事が情報が少ないV-Max1700のリアショック脱着作業の役に立てば幸いです。

 

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