カワサキのZX-6R(636)のフロントフォークSFF BP

 数年前に依頼のあった車両ですが、今回はフロントフォークのO/Hに加え改めてスプリング交換(前回は0.975Kgf/mmへと替えてあった)を行います。

 前後ショック共に可もなく不可もなく、一般的なフロントフォークとリアショックを備えています。その中でもコンプレッションアジャスタ(フロントフォークが沈む際の調整を行う)は難しい側面があります。

 下の動画を御覧ください。 

 スプリングで白いカラーを押し、シム(金属の薄い板)にプレッシャを掛けます。このバネの動きはトップキャップにあるコンプレッションアジャスタを回転させて調整が可能です。

 この手法だと正直、微調整が行いづらくあまり良い結果を得られません。

 上記のシムをスプリングで圧縮したままではオイルの流れがなく、ほぼリジットになるため、一箇所大きめの穴を開けて、バイパスに近い感覚でこの穴からオイルの出し入れをさせます。この穴では流しきれない量のオイルが通ろうとしたら、シム側へ流れが移る仕組みです。

 これはスイッチのように入れ替わる訳ではなく、短時間ではありますが徐々に移行します。

 この考え方が基本にあるからか?純正のシム組は雑とも思えるような印象です。それを逆手にとりシム組を変化させることで意外な程に良い動きを見せます。

 今回の仕様変更はCB1000RとZX-10Rで得たデータを基にして変更を行っています。

 636は両方のフォークに減衰発生機構はなく片側のみです。両側タイプならばまた違った手法で改造を行えますが、片側の636では限界があります。

 しかし安価に最大限の効果を得られる手法を考えれば、上で紹介したシム組変更が一番でしょう。

 近くYou TubeでBPFの基本構造を紹介する予定なので、この記事内にもリンクを貼り紹介予定ですから期待してお待ち下さい。

 

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