フロントフォークの【メンテナンスサイクル】についての見解

 動画のコメント欄からフロントフォークのメンテナンスサイクルについて質問がありました。

 リアショックとの違いをここで明らかにします。

 フロントとリアの明確な違いは「オイルと気体が分離されている」点にあります。リアはそれらが別となっているためオイルの酸化が緩やかなため割と長期間持ちます。

 それではフロントについてじっくり説明します。

一般的な構造のフロントフォークはオイルと気体が同じ部屋に区別なく入っています。そのためオイルが攪拌されると空気との接触面が増え、酸化が促進されてしまうのです。

 またスプリングが削れたカスだけでなく他の汚れも吸収するため、オイルの傷みはより早いのが現実です。

 私の経験を話すと同時期にO/Hを行なった前後ショック(オーリンズ)はリアが5000Km、フロントが3000Kmで明らかな性能の劣化を体感できました。

 しかもリアは機械を使ったエア抜きではなかったため、いまならもっと耐久性が高いと思います。そこから考えるにフロント3000Km、リアは7000〜8000Kmでメンテナンスを行うのが望ましいでしょう。これはサーキットではなく街乗りでの話です。

 しかしこれでは余りにメンテナンス費用が嵩みます。そこで現実的にはフロント1万Km、リアは2万Km程度でオーバーホールを行えばかなり良い状態でバイクに乗り続けることができるはずです。

 バイクの動きを楽しみたい層に向けた助言としては上記の通りです。一方で「サスペンションは問題なく動けば良い」といった方に対してはフロント2万Km、リアは3〜4万Kmを推奨します。これなら消耗品が傷み出す頃にメンテで部品交換ができるため、大きな損傷がなく長くバイクに乗るために費用を抑えることが可能となります。

 これ以上に距離を引っ張るのは、乗り続けるための費用対効果の面でも乗り心地や操安からもお勧めできません。

 以上が私見ですがオーバーホールに対する考えです。

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