高付加、高価格が生む良質な仕上がり

 今年、当社は高付加・高価格路線をひた走っております。

 デフレの現在は低付加・低価格が蔓延していると感じています。これは価格が安いので、余裕がないため仕上がりも安くなってしまいます。
 それを嫌い、今年の春から高付加・高価格に挑戦しています。これは逆に高い料金をいただけるので、細部にも気がまわり仕上がりも価格に応じた質を得られます。

 先日作業したRG500ガンマですが、スプリングカラーが必要となり、どうしようか考えた末に無垢材から削り出し、一品製作いたしました。フロントフォークの工賃だけで20万円を頂いているので、減衰の設定、部品の作り直し、各部の手直し作業には身が入ります。

 カートリッジのエア抜き作業も、新たな手法を模索し、それを完成し納得できる質を提供できました。天候が悪くほんの少しの試乗しかできませんでしたが、実際にフロントフォークの動きからは摩擦抵抗の少なさ、上手くまとまった減衰設定にスプリングの選択が気持ちよく決まり、とても楽しい車体運動を感じ取れました。

 リアの動きもフロントにうまく追従し、軽量な車体でエンジン重量配分にも合わさった楽しく走らせられる車体でした。

 缶コーヒーも美味しいし、CDで聴く音楽も良い物です。ただ、一流どころの喫茶店で入れたコーヒーや、ライブで聴く音圧を伴った音楽はやはり違います。当社の仕上げたサスペンションやバイク・車も肌感覚のある、手触りが伝わる様な車両にしてゆきたいと考えています。まだその域には到達していませんが、少しでもその様な要素を持った仕上げを目指します。

 写真はオーリンズ純正の引き抜き材と、当社で無垢材から削り出し、最終的にアルミカラーに加工した様です。

 

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