1mmは長いのか短いのか

 昨日は近所に住むお客様がお越し下さり、2時間ほど政治や経済などサスペンションに絡めて話をしました。

 その中で言葉の定義に触れたので、書いてみようと思いました。

 1mmという長さは長いのか短いのか?これは尺度により全く違います。車両で例えるならホイールベースの1mmは体感できない程度だと思います。車高調整の1mmならば微調整ではある物の、訓練次第で十分大きな変化を体感できます。しかし、サスペンションやエンジン内部の1mmとなると誤差とは呼べない大きな数字になります。

 自分で部品を製作する場合に、殆どはサスペンションに関わる部品です。それに関しては100分の2~3mm辺りまでを誤差と捉えていますが、部位により±1/100の公差しかない場合があります。これを前述のホイールベースに例えれば1mmの100倍ですから10cmとなり、誤差とは言えないレベルです。

 つまり今話している文脈の中で、その物を定義しなければ話が成立しません。当たり前ではありますが、いま話す言葉がそこまでの定義を持っているのか、明確に意識しながら相手に伝わっているかを考慮しなければなりません。

 「1mmとか1/100mmとか細かい話をしていますね」と言われる時もありますが、上記の点を踏まえるとその時その時の尺度で数字の大きさは違います。自分の定義を意識すれば、サスペンションに関わらずセットアップの助けになると思います。