SP2のフロントフォークとサスセット

 二ヶ月前にリアショックをFGに交換したSP2ですが、フロントフォークのO/Hと仕様変更で再入庫しました。

 変更点

 変更点はスプリングのイニシャルのみです。純正スプリングレートは1.05kでした。これは少々Vツインには硬いように思います。なぜ純正値がこれほどなのかは推測ですが、イニシャル不足で大きく沈むフロントフォークを支えるためこれほどの値を選んだのではないでしょうか。
 イニシャルを適度にするなら、フォークスプリングは0.95K辺りが街乗りからスポーツ走行まで使いやすいと思います。

 O/Hはプレミアムラインで作業を進めました。カートリッジ、トップキャップなど分解できる殆どを外し、組み直しています。SP2(SP1も同様に)は部品点数がとても多くかなりの手間がかかります。まさに1日仕事で朝から晩までかかりますが、その分だけ見返りも大きく、組み直した後の動きは極めて滑らかです。

 セッティングを向上させるなら前後の均衡を図らねばならない

 今回、最初にリアショック、次いでフロントフォークを手直ししました。しかし大きく設定の外れたフロントフォークをそのままにリアショックの作り直しでは良いサスセットは仕上がりませんでした。お客様においても、可能であれば一度に前後の変更を行うように推奨いたします。

 SP1/SP2ほどフロントの設定が大きく外れていない、普通の車両では個別の仕様変更も問題ありません。特定の車種において例えばCBR929,954などは前記の前後同時進行が望ましいと考えます。

 それで仕上がった車体はどうだったのか?

 とても楽しいバイクになりました。減速時のフロントの沈み込みとリアの持ち上がり。車体を倒し込む際の適度に腰の入った沈み込み。自分の足で反復横跳びをするかのような、スッと沈んでグッと踏ん張る感触は極めて気持ちの良いものです。
フロントのイニシャル値は内密ですが、純正は内部で23mm遊んでいます。その遊びをどれほど解消するのかが大切なのですが、硬過ぎる純正スプリングに対し過剰なプリロードは禁物です。トップキャップの調整部分でも10mm以上は追加できるので、程々に抑えることが大切となります。
 更に洗練された乗り味を望むなら、フォークスプリングの変更、フォークカートリッジの交換、タイアサイズの変更(6インチリムに180のタイアが私の好み)。予算に余裕があればブレーキ関連とホイール交換もできたら飛び抜けて楽しくなると思います。が、しかし!これらの変更には100万円のお金が必要になりますので、おいそれとは勧められません。
 これらの改造は私自身が実践しています。前後ショックの交換は終えましたし、フロントブレーキマスターシリンダーも交換しています。あとは前後ホイールとブレーキキャリパは交換予定です。これら一つ一つをブログや動画にして皆さんに届けたて行きます。それを参考にご自身の改造を企て、できれば当社に依頼下さるとこれ以上の希はございません。

 

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