【ZX-12R】のフロントフォーク完全オーバーホール

 プレミアムラインと呼ぶ、全ての部品を分解する依頼を頂きました。ZX-12RのフロントフォークはKYBを採用しており、かなりの数を作業しておりますので、仕組みから熟知しております。

 その中でも今回はガイドブッシュ加工の話をします。

 フロントフォークは一般に2種のメタルを用いています。その中でZX-12Rのフロントは固定嵌合のガイドブッシュを採用しており、オイルシール側が高さ8mmと低く面圧が高くなるためインナーチューブに対する攻撃性が高くなります。

 そこでメタルにもう少し高さを持たせて、耐摩耗性と作動性の両方のバランスを取り直します。

 メタルの圧入寸法はかなり交差が厳しいので、加工には注意が必要です。

 今回はインナーチューブのコーティングメタル加工など含め依頼内容が重いため27万円近くになりましたが、お客様から大きな信用を得ての依頼となりました。

 今後も古い車両の部品を、長く大切に乗り続けられるオーバーホールを心がけます。

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