NS50の【QJ-1】をオーバーホール

 茂原を本拠地に活動しているかわいちゃんRからの依頼です。彼はYou Tubeチャンネルもあるので紹介しておきます。

 これまでにも10本程度はQJ-1のオーバーホールを手掛けてきました。今回も過去の事例と同様にいくつかの改善を施して組付けを行います。

 1 シムの交換

 写真をご覧頂けると分かりますが、すぐに錆びる材質です。それだけでなくシムはリーフスプリングという板状(葉っぱ状)のバネといえます。そのバネとしての質が高くありません。

 そこで今回は大手メーカーが採用する、耐久性が高く動きも良い品へ交換です。

 それだけでなくシムはその表面の溝も重要なため、交換で基本性能を底上げできます。

 2 ロッドの再メッキ

 長期間の使用でロッド表面のハードクロームが傷んでおり、再メッキを施し再利用を可能にしました。

 3 ガスバルブを補修

 バルブに用いられているゴムの材質が悪く、分解時には残留ガスの圧力は測定した全ての個体で0でした。長期間の使用に耐えられないのです。

 そこで材料を変更し、安定して使えるようになります。これは基本作業工賃に含まれています。

 4 アルミシリンダーは再利用

 クアンタムを祖としたQJ-1はシリンダーの材質も同様にアルミを採用しています。しかしこれもクアンタムと同じく耐摩耗性が低いため、アルマイトが長持ちしません。

 今回は予算の都合もあり再利用します。この部分はアルミ、ステンレスなど材質を変更して作り変える事も可能ですから、長く安定して使いたいと希望される方は問い合わせして下さい。

 5 オイルはHiroko

 当社はお客様の指定がないときにはHiroko(広島高潤)のオイルを使います。創業当初からの付き合いですが、これまでにも多数のオイルを試したなかで走行フィールが良いため継続して使っています。

 6 アッパーマウントのピロボールはもう売っていません

 QJ-1はアッパーマウントのピロボール(スフェリカル)がNTNのSAR1-15でした。これは数年前に販売が終了しており入手不可となりました。

 当社は一つだけ在庫を持っていたので、今回のO/Hで使い切りました。

 代替品も発注していますが、品質がどうなのかはわかっていません。届いた品を確認して問題がなさそうなら販売も考えますので、続報をお待ち下さい。

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