ダンパー選びの助言

 多くの業界にアドヴァイザーと呼ばれる職種や業務があるのに、サスペンション業界で社外品のダンパーを選ぶ際のアドヴァイザーを見聞きしなので、私が選ぶ時の基準を披露しようと思いました。

 ダンパーの性能は全てが調和してこそ、持てる能力を発揮するため優先順位をつけるのは根本的に間違いかもしれませんが、それでもあえて選ぶなら以下の順番になります。

 一 ばね定数  車両製造会社の値を参考にしますが、レース用に改造した場合に大幅に数字が変わる時もあります。しかしながら、あまりにかけ離れた値を採用しているようならば、選択肢から外します。

 二 自由長 これはばね定数と連動します。基本的には純正値に準ずるのですが、純正比でイニシャルを抜いて乗り心地を優先し、自由長を伸ばし操縦性を担保することもあります。ただ、街乗りならば10mmも長くなるような状況はないので、あまりかけ離れた数字ならば、やはり選びません。当社で製作したヤマハ・YZF-R25は純正よりも10mm以上長い設定ですが、これはサーキット専用のためであり、街乗りであればもう少し穏やかな設定とします。

 三 シリンダー内径=ピストン径 外観から正確な寸法は測りかねますが、ツインショックなら36mm。モノショックのシングルチューブなら46mmが基準となります。モトクロッサーなどは50mmもあり得ます。これは車におけるエンジンと同様に、スプリングに対し適当な寸法があります。小さすぎると小排気量エンジンのパワー特性と同じく、下か上のどちらかにしか合わないような、過敏な動きをみせます。逆に内径が大きすぎるとなかなか減衰が立ち上がらず、腰のある感触を得られません。ただ、このあたりはピストンのデザイン、シム組、オイルなど複雑な要因が絡み合うため一言で「大きければ良く、小さければ悪」とはなりません。

 四 調整項目の多さ スプリングのイニシャル(プリロード)調整、ダンパー自由長、伸び減衰、圧減衰の順に重要度が決まると思っています。

 五 そのほか、色々なメーカーが自社の優位性を謳っています。価格、機能、外観など決め手は人それぞれです。しかし、くる仕事を拒まずかなりのダンパーメーカーを分解した経験から、ある程度の判断はつきます。これからダンパーを交換しようと考えている方は、一度相談ください。純正の改良から社外品選びの参考基準を助言差し上げます。その際に当社でFGを選択頂ければ幸いです。

 

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