NC30のフォークカートリッジを改造

 90年代の車種において、フロントフォークの減衰力調整は伸び側のみが可能であることが一般的でした。このような設計は、NSRやVFRなどの車両に多く見られます。今回、VFRのフロントフォークに注目し、そのカートリッジを改造することにしました。

この改造の目的は、片方のカートリッジを変更して圧減衰調整ができるようにすることです。この変更により、ライダーはフロントサスペンションの動作をより細かくコントロールできるようになり、特にサーキット走行時のパフォーマンス向上が期待できます。

 当然、伸び側の減衰力も変更を施します。

 弊社では以前からこの種の改造を数十本行ってきた経験があり、変更プロセスには自信を持っています。シムの組み合わせや設定の精度を高めるために、過去のデータと併せてGPT-4を利用して計算を行うなど、技術の進化を取り入れています。

 トップキャップも折角なので完全分解でメンテナンスを施しました。

 改造を施したフロントフォークを搭載した施主の車両は、既にサーキットでの走行テストを終えたとのことです。改造によるパフォーマンスの変化や実際の走行感覚について、施主からのフィードバックを受け取るのが非常に楽しみです。この改造がどのように車両の挙動に影響を与えるのか、そしてライダーの走行体験がどのように変化するのかを知ることは、今後の改造においても貴重な参考になるでしょう。

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